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飯吉友恵(いいよし ともえ)さん
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夫婦で農業法人を設立「事業を通して津南に貢献したい」
- 移住年月
- 平成26年
- 今の職業
- 旦那さんと2人で農業法人を経営
- 出身地
- 新潟県加茂市
短期バイトをしにたまたま津南に来て、そこで出会った男性と結婚。旦那さんの誘いで農業を始め、令和3年3月に夫婦で農業法人「株式会社フィールドボックス」を設立。栽培作物は、雪下ニンジン、アスパラ、長ネギ。県知事認定の「青年農業士」を県内初夫婦2人で認定を受ける。
移住しようと思ったきっかけは?
もともと地元で仕事を転々としていました。そんな時に、知り合いから「実家から離れてみれば?津南に短期のバイトあるよ」って紹介されて、冬の間だけバイトをしに津南に来たんです。その時は移住する気は全然なくて、バイトが終わったら実家に帰るつもりでした。
本格的に移住しようと思ったのは、そのバイト先で今の旦那に出会ったのがきっかけです。最初は恋愛からですね(笑)私が津南に来るよりも前に、既に移住して農業研修を受けていたんです。農業って冬は仕事がないじゃないですか?それで旦那も私と同じバイト先に来ていたんです。そこで知り合って、私の仕事ぶりを見た旦那から「農業一緒にやってみないか?」と誘われて、農業を始めました。
農業をはじめた時どう思いましたか?
もともと農業をやろうとは全く思っていませんでしたし、最初長靴を履くことすら恥ずかしかったんです。実家のほうなんて全然雪降らないので、長靴なんて履かないですからね(笑)でも、旦那の影響で農業をやってみたらハマったんですよね。面白かったんです。自分が育てている感じとか、自分が作ったものを食べられることに喜びを感じました。
でも、私が津南に来たときは農業をやってる同世代の若い人がいなくて、弱音を吐いたりする場がなかったのが大変でした。もうひたすら畑に出て頑張るしかなかったですね。農業の専門用語も全く分からなくて、本や栽培指針をかなり読んで勉強してました。私すごく負けず嫌いだから、いっぱい勉強しました。読んでも全然分からなかったですけどね(笑)本当に難しいです農業は。実践あるのみですかね。
農業法人設立までの道のり
新規就農した頃は、春に雪下ニンジン、夏にアスパラを育てていたんですが、秋に何を作るか悩んでいました。そんな時に、旦那の知り合いから「機械貸すからネギをやってみないか?」って声掛けられてネギを始めることになりました。軌道に乗り始めた頃、たまたま近くの農家さんがネギを辞めることになり、機械を譲ってもらえることになったんです。しかも、ちょうどその頃家探しもスムーズにいって、望んでいた作業場付きの空き家を紹介していただいたんです。ただ、畑がある場所から遠い物件だったので、「通い農業」になってしまうことがネックで迷ったんですが、購入を決め、上郷地区へ引っ越すことになりました。
今住んでいる上郷地区では、地域の皆さんが協力して人集めを手伝ってくれました。周りの方の支えがあって、令和3年3月に旦那と2人で「株式会社フィールドボックス」という農業法人を立ち上げることができました。目標というか使命というか、事業を通して津南に対して恩返ししていきたいです。上郷地区の皆さんに支えてもらっているので、「地域の農業」として頑張っていきたいです。あとは若手育成ですね。どんどん若い人達に入ってきてもらいたいと思っています。その点ではうちの会社は恵まれていて、社員はみんな30代なんですよ。若いのでパワーもあります。
青年農業士はどういう制度ですか?
県知事が認定する、地域農業の若手リーダーを育成する制度です。新潟県農業士会会長によると、新潟県農業のホープだけが認定されるそうです。推薦と一定以上の所得が条件になってます。あとは論文、面接、畑の圃場視察。全部満たしての認定です。私たちは推薦をいただき、令和3年1月に、夫婦2人で「青年農業士」に認定されました。夫婦同時認定は県内初です。
認定されると、県内の青年農業士が集まる研修会や視察、イベントなどに参加できます。津南町以外の方と交流もでき勉強になります。どこに行っても男性ばかりで、まだまだ女性の青年農業士は少ないですが、女性農業士が増えてほしいという思いはあります。
農業を始めたい方へのアドバイス
農業で生活していくのは本当に難しいと思います。なので、安易に「農業やりましょう!」って言うのは無責任だと思っています。農業って、1から1人でやるとすべて失ってしまうリスクが大きいです。まずは土に触れること、農家の働き方を見ることから始めてはどうでしょうか。毎年毎年どんどん国の制度も変わってきてますし、経験者のもとで農業を始めたほうが成長できると思います。
雪はやっぱり多いと感じましたか?
多いですね。最初津南に来た時は、雪の壁がすごくきれいで芸術だ!と思ったんですが、そんな風に思ったのも1年目だけでしたね。今はもう、あぁまた冬が来る…って思っちゃいますよ(笑)
今でも雪には苦労していますが、雪のおかげで良いこともあります。津南の農業は冬の間は仕事がないイメージがありますが、旦那は除雪の仕事などをしており、農業関係以外の人との交流ができ、学びも増えています。
移住して良かったことはなんですか?
真っ先に思い浮かんだのは、地元の方々の顔でした。仕事でも生活でも地元の方と繋がっていることが喜びです。移住したての頃は、知らない人ばかりで不安かもしれませんが、集落の行事にすすんで参加することで、地元の方々とのつながりが広がっていくといいですよね。他にはなくて津南にしかないものがたくさんあると思います。見つけられたらいいですよね。町のサポートもあるし、私も移住者としてそういう面で色々協力できたらなと思っています。
MOVIE
飯吉さんご夫妻を取材した過去動画はこちら
株式会社フィールドボックスHP
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