breadcrumbs
section in
ジャックマン秋山望さん
- Category:
- まちの人の声
contents section
人の繋がりの深さをイチオシしたい!
- 移住年月
- 2018年5月~
- 今の職業
- カフェオーナー
- 出身地
- 新潟県上越市
栄養士の専門学校への進学を機に上京。栄養士になったが、料理の世界に目覚め、東京では飲食のレストランで働く。その後、カナダで1年、イギリスで7年ほど生活した後、日本へ戻る。約20年の飲食業の経験をもとに、現在は「蔵カフェ」の店長を任されている。この夏は、津南まつりへの出店も行った。
海外に行ったきっかけは何ですか?
卒業後、東京で働いていたんですが、海外にはポンと行っちゃいました。東京には5年位いました。きっかけは…簡単に言うと、悔しい思いもして、英語を学ぼうとしたら日本にいちゃダメだな、と思ったから。英会話教室に通っていたんですが、お店に外国からのお客様が来たとき、まったく英語が出て来なくて。英語で接客できない自分がすごくもどかしくて悔しい思いをしたのが一番のきっかけだと思います。
語学学校に行くために1年くらいカナダに行き、1度日本に帰って来ましたが、今度は学校でなく働きにどこかに行こうと思って、イギリスに行きました。
日本に戻って来ようと思ったのはなぜですか?
イギリスには7年強いました。イギリスで結婚して、日本に帰って来たのは、2人目が生まれる直前です。これからは2人目も生まれるから、日本に一回住まないと、多分もう日本に住むことはないだろうというのと、旦那が日本に住んだことがないというのとで、彼の提案で。
上越の実家で2人目を出産しましたが、上越にいたのは半年くらい。夫が働き口を探していたんですが、やはり言語の壁から上越でもなかなか就職先がなくて。で、見つかった先が東京だったんですね。それで私たちも東京に行って、6年くらいずっと東京にいました。
津南に来たきっかけは何ですか?
津南に来たきっかけは、当時のオーナーから、津南でカフェを作りたいという話をもらったから。でも、タイミングはおもしろいくらいによくなかったんですよ。話をもらったのが2月で、引っ越したのが4月なので、2か月しかなかった(笑)
去年(取材2019年)、大地の芸術祭がありましたが、それに間に合うようにオープンしたいという話で、逆算すると、春には引っ越さないといけない。だからタイミングがいいのかって言ったら、時間はなかったと思うんです。
それでも行こうと思ったのは、オーナーの『津南にいい場所を作りたい、地元に貢献したい』という考えに賛同したというのが1つです。もう1つは、私がもともと飲食で仕事をしていて、いつか自分で飲食の事業をしたいという気持ちがあったので、ステップアップになるかなというのがありますね。
行き先が津南だということに抵抗はありませんでしたか? 雪も多いですし…
雪が多いことは、来る、来ないの判断材料にはならなかったです。機会をもらったというのが第一だったので、それを逃しちゃいけないというのが、すごくありました。
それよりも、自分たちのリスクの中で、夫が言語の壁で、田舎に来る時点で彼の仕事を考えると、どうしよう…という家族会議はすごくありました。自分1人だったら場所は正直選ばないけれど、やはり家族のサポートがあってのものなので。その決断のほうが難しかったですね。
今、私と子ども2人が津南にいて、夫は東京にいるんですが、最終的にこれで行こうと決めたのは、結構即でした。2か月後には引っ越さなきゃいけないとなると、もうやるんだったら今やらないと、決めないと、っていう本当にもう何日かで決めた感じですね。向こうで仕事もしていたのに、大胆すぎな感じですね(笑)
津南でカフェをやる話をもらったときの旦那さんの反応は?
「今度はきみの番だね」って言ってくれました。イギリスにいたとき、私は働いていて、彼はITの資格を取るのに学校に行っていたんですけど、そういうのは、やっぱりお互いのサポートが必要じゃないですか。
その後、彼が仕事を始めましたが、私は子どもが出来て仕事を辞めないといけなくて。子どもがいる母親は、仕事もそうですけど、やりたいことをやりたいだけやるのは難しいと思うんですね。だから、やれるならやったほうがいいよってと言われました。
それで現在の形に落ち着いたんですけど、やっぱり直面していることは、始まりも今も、家族は一緒にいなきゃいけない、ということですね。彼は毎週末来るんですけど、子どもの成長を見られないので、一緒にいる感覚があまりないみたい。私は週末働いているので、家族で一緒に何かをするっていう感覚がないんですよ。それはもう私たちの大きな課題ですね。
津南に移住して苦労したことは何ですか?
家族が一緒にいられない、というのがプライベートでの一番の課題なんですけど、カフェのことで考えないといけないことがすごく多くて。カフェをどうこの町に馴染んでいただくか、どう切り盛りしていくかというのも大切なので。
でも、津南での大変さを忘れるくらい、私は楽しんでいると思います。プライベートのバランスが難しいくらいで、津南での生活が大変…って言いたくないんですよ。雪も、毎朝雪掘りして、すごい腕太くなってきたな~くらいな感じで、多分自分の中で楽しんでいたんだと思います。
ただ、知識を理解するのは大変なのかな、と思います。どの時期に何を始めなきゃいけないとか、屋根の雪がどのくらい積もったら雪下ろしをしなきゃいけないとか。実家にいたころもどっかり降っていたんですけど、20年くらい実家にいなかったので、忘れていました。直面しないといけない現実にポンと入ったので、やりながら体力がついたな~って言うくらいですね(笑)
移住してみて楽しいことは何ですか?
人の繋がりがすごく楽しいですね。人が優しくて。カフェがあるからこそかもしれませんが。私、正直すぎるみたいで、お客さんに聞いちゃうんですよ、雪のこととか農業のこととか。それが普段の生活にも繋がっています。
前も、『ミントを使いたいからミントが欲しいけれど、花の世話が苦手』という話をしたら、裏のおばあちゃんがミントをくれたんです。それを今育てていて、お店の裏と周りはバーッとたくさんのミントが出て来ています。そういう『話したい、話したい』が結びついて物に変わっている、人情がすごく深いのが津南かな。そんなふうに思ったことは、若いとき上越ではあまりなかったかもしれないです。
引っ越してきたとき、ゴミ捨ての場所が分からなくて。たまたま子どものノートを買いに行った近くのお店でゴミ捨て場がどこか聞いたら、燃えるゴミはここだけれど、ビンは場所が違うからって、別のお店の人とかにも話をしてくれて。そこからコネクションができました。今でも本当にいろいろなことを聞いて……すごくお世話になっています。小さい町はすぐ広まりやすいというのが、逆にすごく助かりました。
津南での暮らしを楽しんでいますか?
家族の時間を取れていないけれど、こんなに楽しんじゃっていて、私いいのかな~?って思っています(笑)今は、今度のまつりの準備をしていて(※取材は津南まつりの前)、もうワクワクしすぎている感じですね。
まつり前でない休みの日は……保健所に行ったり(笑)、休んで何かをするって言ったら、髪を染めに行くくらいですかね。仕込みもあるので、そのくらいしか遠くには行けないです。
仕事一筋ですね。母親業ももうちょっとがんばりたいです。子どもと一緒に何かしたいですね。
忙しいということを意識してくれているからかもですが、下の娘は、たまに気付くと「これやってあげるよ」とか言ってくれますし、お兄ちゃんは朝、私の好きな紅茶を作ってくれます。料理や飲食に興味はあるのかもしれませんが、彼らにそれを言うつもりは全くないです。やりたいことをやってほしいですね。
移住希望者へメッセージ!現在は会社からカフェを譲受けオーナーとしてお店を継続!切り盛りしています!
『津南に一度住んでみたほうがいいですよ』ですね(笑)『一回は来た方がいいですよ』って。やっぱり人がいいので、聞いたらすぐに教えてくれるから、悩んでないで人に聞く。聞いたら全部教えてくれるので。すぐに聞いたほうがいいですよ!
住み始めてから気付くことは、すごくあるんですね。想像していても、来てみて感じることもすごくあると思います。雪がすごく多くて難しいとか、直面することはたくさんあると思いますが、みなさん助けてくれるので…。やっぱり住んでみて分かることは多いですね。
「これをしなきゃいけない」と言って来るのではなくて、来て自分の楽しみを見つけていってほしいですね。
人の繋がりがすごく深いと思うんで、津南って。そこをイチオシしたいですね。
- Category:
- まちの人の声